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睡眠改善の方法ドットコムTOP > 睡眠障害改善の方法とは? > 成長ホルモンと睡眠の関係とは?
成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されます。
成長ホルモンには、主に四つの働きがあるといわれています。
寝ている間に、上記のような大切な作業が行なわれているわけです。
それでは睡眠中に、ずっと均等に成長ホルモンが分泌されるのかといえば、そうではありません。成長ホルモンは、寝始めの3時間のノンレム睡眠時に大量に分泌されるようになっています。とくに最初の90分が重要といわれています。
人間には、生きていく上で大切な作業を、まず最初に済ませる仕組みがあるということですね。優先順位をつけているわけです。これによって、睡眠時間が削られるという不測の事態に遭ってもリスクが少なくなります。
さて睡眠時に分泌される成長ホルモンには、上記に示したような働きがあります。骨や筋肉の成長というと、子供にとっては最も大切なことでしょう。よく子供に睡眠が大切といわれるのは、4つのなかでは、この作用のことを指しています。とくに子供にとっては、骨の成長が大切です。骨の成長に合わせて、それ以外の器官の成長が進んでいくからです。
子供の骨は、骨端にある軟骨で、骨芽細胞が細胞分裂をものすごい勢いで行なっています。これによって骨が長くなっていくわけです。そのほか骨膜の下でも細胞分裂が盛んに行なわれて、骨を太くしていきます。このようにして、子供は睡眠中の成長ホルモンによって、身長を伸ばし、体格を大きく成長させていくわけです。
成長ホルモンは子供にとって特に大切なため、成長期までは必然的に眠りが深くなります。このころは、ほとんど不眠症や睡眠障害(おねしょや夢遊病、ナルコレプシーは除く)がないのは、深い睡眠を取っているからです。
もちろん大人になってからも、睡眠中の成長ホルモンによって、骨は成長し続けます。ただ骨端に関しては、大人の場合はすでに骨質に置き換わっています。これを「骨端が閉じる」といいます。そのため、それ以上骨が伸びたり、身長が伸びることはありません。ただ太くなることはあります。筋力トレーニングなどによって、骨に適度の負荷を掛けると、その部分の骨質が強くなり、太くなるのです。
筋肉の成長は、一生行なわれます。
ウェイトトレーニングなどによって体に負荷を掛けると、筋繊維が断裂します。これを睡眠時の成長ホルモンが修復してくれるのです。これが完了したとき、以前よりも太く丈夫な筋肉になります。これが超回復の原理です。ですから、筋トレを行なっても、十分な睡眠が取れないと、筋肉が成長できない危険があります。とはいっても筋トレ自体が乳酸を作り、それが成長ホルモンを分泌させてはいます。
そのほか成長ホルモンは睡眠中に、いろいろな仕事をしています。
免疫力増強作用により、ガンをふせいだり病気を予防してくれています。そのため眠りが浅いと、病気がちになり、生活習慣病にかかりやすくなります。
成長ホルモンは、日中は手入れができないお肌の手入れもしてくれます。
昼間は脳や筋肉に血液が多く行くために、肌の手入れはあまりできないのです。そこで寝始めの3時間に成長ホルモンが分泌されて、新陳代謝が活発となり、肌の手入れを行なうようになっているのです。深い眠りは、どんな美容液もかなわない、最高の美容法といえます。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、脂肪の燃焼も促進します。
そのため寝始めの3時間は、ダイエットタイムともいえます。寝る直前にものを食べてしまうと、胃腸が活発になってしまい、浅い眠りになってしまいます。そうなると、深いノンレム睡眠とともに現れる、成長ホルモンの分泌量が減少してしまうことに。
そのうえ、胃腸にある食べ物は、活動の少ない夜間では、ほとんど消費されません。行く先は、脂肪細胞ということになってしまいます。さらにコルチゾール分泌によるダイエット効果も望めなくなります。寝る前の食事が栄養源になっているので、あえてコルチゾールを使って、脂肪を分解する必要がなくなるからです。
このように寝る前にものを食べてしまうと、三つの理由によって太りやすくなってしまいます。やはりダイエットのためには、寝る前にはお腹をからっぽにして、睡眠中に成長ホルモンを大量に分泌させた方がよいのです。